監督 ジャン・ドラノワ

僕が放校されたら君も辞める?

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」26

僕が放校されたら君も辞める?   すでに校長から放校もアリ、と示唆されたアレクサンドル。 「僕が放校されたら君も辞める?」とジョルジュに訊く。 「もちろんさ」。 これはちょっとどうでしょう。 ジョルジュの答えは軽すぎませんか。 侯爵家の後継者が、簡単に放校されて済むは...

好きなことを書いて何が悪い

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」25

好きなことを書いて何が悪い   休憩時間の校庭。本を読みながら歩くジョルジュ。 アレクサンドルが跪かされている部屋の外に立つ。 窓越しに「ずっとそうしているの?」 「告白するまでだって。これは僕らの問題だろ。 好きなことを書いて何が悪い。 みんな僕らにヤキモチ妬いてい...

誰にでもありません

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」24

誰にでもありません   校長室で。手紙を読む校長。 「君の言葉が僕を愛撫し、僕の視線が君に口づけする… 君が書いたのかね」とアレクサンドルに尋ねる。 「本の写しです。ロシュフコーです」悪びれない少年。 「傲岸な態度は好ましくない 誰にあてたものだね?」 「誰にも」キッ...

ローゾン神父に呼び出された

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」23

ローゾン神父に呼び出された   温室で「ローゾン神父に呼び出された」とアレクサンドルが告げる。 「手紙、見た?」ジョルジュに尋ねる。 ジョルジュが上着のポケットから手紙を出す。 中にアレクサンドルの巻き毛が入っている。 「いい香りだ」「君の香水だよ」とアレクサンドル。 ...

君たちを見守る必要がある

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」22

君たちを見守る必要がある   トレンヌ神父は酒とタバコを勧める。 「私は君たちの年頃についてよく知っている。注意深く君たちの 心を見守る必要がある。私が監視してやろう。どうだ。 君たちを聖歌隊に加える。喜んで聖体を与えよう。 聖体拝領の前に告白が必要だ」 ジョルジュは...

私の部屋に来るといい

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」21

私の部屋に来るといい   生徒たちの共同寝室で、ルシアンとジョルジュが 就寝時間にもかかわらずヒソヒソ声で話している。 監督官のトレンヌ神父が近づく。 「こんな遅くまで何の用があるのだ。起きていたいなら 私の部屋に来るといい。待っている」 神父が夜の夜中、自分の部屋に...

友だちは一人のはずだ!

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」20

友だちは一人のはずだ!   「ここをどうして知ったの?」とアレクサンドルが訊く。 「ルシアンが教えてくれた」 怖い顔になり「喋ったの!」 「ルシアンは友だちだ」 「じゃ、僕は? 友だちは一人のはずだ!」 少年は怒って出て行ってしまう。 アレクサンドルにとってジョ...

素敵な詩をありがとう

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」19

素敵な詩をありがとう   ジョルジュが礼を言います。 「素敵な詩をありがとう」 「落第しないよう、しっかり勉強します。来年も一緒ですね。 あなたに好かれて幸せです」 韻の踏み方が、「あなた」でなく「君」の方がいいとか、 これでよくなったとかの睦まじいやりとり、ジョルジ...

心臓の鼓動が聞こえる

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」18

心臓の鼓動が聞こえる   温室にアレクサンドルが入ってくる。 温室の階段に笑って立ったと思うと、膝を抱えて座る。 ジョルジュは自分の頭を彼の膝によせ、胸に耳を当てて 「心臓の鼓動が聞こえる。走ったの?」 アレクサンドルは恥じらいながら 「あなたのために詩を書いたから」...

君らには胸が痛むぜ

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」17

君らには胸が痛むぜ   美術の授業の後、わざとタオルを落とすアレクサンドル。 タオルを拾って落とし物だと告げ、取りに戻ったアレクサンドルに そっと手紙を渡すジョルジュ。 かつての自分とフェロンを見ているようなルシアンは 「君らには胸が痛むぜ」 そう言ってジョルジュに密...