素敵な詩をありがとう
ジョルジュが礼を言います。
「素敵な詩をありがとう」
「落第しないよう、しっかり勉強します。来年も一緒ですね。
あなたに好かれて幸せです」
韻の踏み方が、「あなた」でなく「君」の方がいいとか、
これでよくなったとかの睦まじいやりとり、ジョルジュは
少年の胸のペンダントにキスする。
「静かですね」とアレクサンドル。
余計なお世話ですが、いいのでしょうか、こんな幸せで。
恋人同士のあんまり幸福そうなシーンがかえって、
いつかくる破滅を予感させているみたいなのです。
〜「寄宿舎〜悲しみの天使〜」〜