監督 ジャン・ドラノワ

出会った瞬間夢中になりました

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」36

出会った瞬間夢中になりました   ジョルジュはローゾン神父に直訴する。 「確かに僕はウソの告白をしました。 アレクサンドルを誘ったのは僕です。 手紙も僕が望んだからです。 僕は誤った考えに取り憑かれていたのです。 一番重要なことは、彼は何も悪くないのです。 出会...

黙りなさい、君はウソをついた。

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」35

黙りなさい、君はウソをついた。   「トレンヌ神父はなぜ辞めたのかな」と ジョルジュのチクリを知らないアレクサンドルが訊く。 「校長とケンカしたらしい。あいつは最低だ」 アレクサンドルのタバコに火をつけてやりながら 「その話はやめよう」 タバコを換えっこして煙を吹きか...

君は僕に「無」をくれればいい

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」34

君は僕に「無」をくれればいい   極め付けの詩的セリフをひとつ。 7月15日はジョルジュの誕生日だった。 「君の誕生日だね、ジョルジュ。何を贈ろう」 「君がいれば何も要らない。 君は僕に無をくれればいい」 「無」ですってよ。 言ってみたら? ホントに何もくれない...

僕の傷は消えた。年上だからね。

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」33

僕の傷は消えた。年上だからね。   夕立の日。 ジョルジュとアレクサンドルが「血の契り」をした傷を見せ合う。 「僕のは消えた。年上だからね」 「そうじゃなくて、僕の方が君をたくさん好きだからだ」 枯れ草に寝転び「気持ちいいな」 「二人きりだ」 本作は後年、少女漫...

何をしている?

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」32

何をしている?   息を切らしてベッドに戻ったジョルジュ。 校長がトレンヌ神父の部屋に入っていくのを見た。 ここはトレンヌ神父の部屋。校長が来た。 「何をしている?」 テーブルにはワインにタバコ。現行犯で神父は観念します。 翌日神父はトランクを下げ、神学校を去りました...

誰だ? 誰だね?

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」31

誰だ? 誰だね?   ジョルジュが目を凝らしていると、例によってトレンヌ神父が 他の生徒に声をかけ、立ち去るのを見た。 間もなく声をかけられた生徒が神父の部屋に入っていく。 ジョルジュは一計を思いつく。 ベッドを抜け出し校長の部屋をノックした。 「誰だ? 誰だね?」 ...

神父様、やめてください

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」30

神父様、やめてください   夜、共同寝室にトレンヌ神父が現れ、ジョルジュに 懐中電灯を当てる。 「神父様、やめてください」 ジョルジュはうるさそうに顔を背ける。 「食堂で朗読を聞いている間、君とあの少年は 何度視線を交わしたかね」と神父。 「私の目はごまかせない...

血の契りをしたい

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」29

血の契りをしたい   ジョルジュとアレクサンドルが温室にいる。 「僕はすぐ反抗するけど、君はうまく解決するね」と アレクサンドル。 「面倒は避けたいのだ」 「褒めているのだよ。君が正しいに決まっている」 血の契りがしたいとアレクサンドルが言う。 「そうすれば離れ...

上々だ、簡単に引っ掛かった

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」28

上々だ、簡単に引っ掛かった   授業に戻ったジョルジュは アレクサンドルの手紙を紙入れにしまう。「どうだった」と ルシアンが成り行きを尋ねた。 「上々さ、簡単に引っ掛かった」。 教壇からトレンヌ神父がジョルジュを睨みつけ 「医務室でなんと言われた?」 「医務室で...

あれは僕宛の手紙です

〜 「寄宿舎〜悲しみの天使〜」27

あれは僕宛の手紙です   しかしジョルジュの方が上手だった。 「放校はされないよ」とアレクサンドルに言い、 授業を抜けて校長室に行く。直談判だ。 「あれは僕宛の手紙です」とまず正面突破。 「アカデミーに入会したいという彼の希望を叶えたく、 勉強を援助しました。詩を朗読...