ローゾン神父に呼び出された
温室で「ローゾン神父に呼び出された」とアレクサンドルが告げる。
「手紙、見た?」ジョルジュに尋ねる。
ジョルジュが上着のポケットから手紙を出す。
中にアレクサンドルの巻き毛が入っている。
「いい香りだ」「君の香水だよ」とアレクサンドル。
「神父に何か言われた?」心配するジョルジュ。
「余計な質問はされなかった。悪い考えを祓う祈祷があるね。
毎日読めと。興味ある?」
「ないね」
「本当に? よかった。怖かったんだ」
ジョルジュの頬にキスして嬉しそうに温室を出ていく。
ドアが閉まるとき、ガラスの破片が落ちる鋭い音を残して。
〜「寄宿舎〜悲しみの天使〜」〜