Diversity Studies

一族の恥だわ!

〜「ミモザの島に消えた母」(26)〜

  一族の恥だわ!   ベルナデット「窓の下を通るとお祖母さまの声が聞こえた。 相手は若奥さまだった。 『一族の恥だわ。この写真を見たら判事は親権剥奪を命じるわね』 『子供たちはどこ?』 『座って手紙を書いて。座るのよ! 書きなさい。 ジーンへ。どうか怒ら...

妻から大事な話がある

〜「ミモザの島に消えた母」(25)〜

  妻から大事な話がある   祖母が亡くなった。 葬儀にも呼んでもらえなかったアントワーヌはあえて参列した。 祖母がいちばん気にいっていたドレスを着せるためだ。 葬儀を終えたアントワーヌとアガット兄妹を ベルナデット夫婦が呼び止めた。 「妻から大事な話があ...

30年間ウソをついてたのは誰だ!

〜「ミモザの島に消えた母」(24)〜

  30年間ウソをついてたのは誰だ!   クリスマス、家族が集まった席で、 「僕からのプレゼント」と言ってアントワーヌが配ったのは ジーンとクラリスが仲良く写っている写真だ。 「ジーンがくれた写真だ。ジーンは女性だった。 答えてよ、おばあちゃん。1984年8月2...

お祖母さまはご健在?

〜「ミモザの島に消えた母」(23)〜

  お祖母さまはご健在?   ジーンは語る。 「この30年、タクシーが画廊の前に止まるたび、彼女の姿を探した。 今となっては希望も消えたけれど」 アントワーヌ「母は別れを苦に自殺を?」 ジーン「クラリスは子ども達を愛していた。自殺なんてしない」 そしてふと...

二度と私に会おうとしないで

〜「ミモザの島に消えた母」(22)〜

  二度と私に会おうとしないで   駆け落ちする当日の朝、ジーンは一通の手紙を受け取った。 フロントは「女性が届けに来た」とだけ言った。 こうあった。 「ジーンへ。どうか怒らないで。一緒に行けません。考え直したの。 夫や子供たちを不幸にできない」 そこまで...
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街を虹色にして
宮崎レインボーウィーク2021開催

宮崎市を中心に活動する団体「レインボービュー宮崎」は、宮崎県をはじめとする県下の自治体との協働で、2021年7月30日(金)~8月9日(月・祝)の11日間、「宮崎レインボーウィーク2021」を開催します。 宮崎県内各所がレインボーに 2021年7月30日(金)~8月9日(月・祝)、宮崎市のLGBT交流会「レインボー...

8月の末

〜「ミモザの島に消えた母」(21)〜

  8月の末   「クラリスは8月の末になると、関係を義母が知ったというようになった。 子供を連れてロンドンの姉のところへ逃げる対策をした。 子供を迎えに行ったあと、19時に駅へ行くわ。そうクラリスが言った。 私は幸せだった」 クラリスも思い切った決心をしたもの...

私たちは離れられなくなった

〜「ミモザの島に消えた母」(20)〜

  私たちは離れられなくなった   「すぐに私たちは離れられなくなった」 「父は知っていた?」アントワーヌが質問する。 「わからない。仕事がいちばん忙しい時期で留守がちだった。 クラリスは夫の不在に苦しんでいた。特に義母との関係に」 クラリスの死後、思い出話をタ...

ジーンっていうの。よろしく

〜「ミモザの島に消えた母」(19)〜

  ジーンっていうの。よろしく   「半年がまんした。また会いたくて恋い焦がれた。 そしてあの夏、ノアールムーティエ島へ。賭けに出たの」 島の海辺は海水浴でにぎわっていた。 子供たちと波打ち際で遊ぶクラリスがいた。 ジーンを認めたクラリスが快い微笑で迎えた。 ...

人妻とは知らなかった

〜「ミモザの島に消えた母」(18)〜

  人妻とは知らなかった   ジーンは回想した。 「なめらかでいいわ」そこはパリの絵画教室。 講師のジーンが生徒のクラリスに助言している。 「技術的には申し分ない。あとはあなたの内面を」 授業が終わってジーンが話しかけた。 「うちにギュスタヴ・ドレの絵があ...