Diversity Studies

「ねえ!」

〜 「私の少女」1

「ねえ!」     畦道にかがんでカエルを捕まえていた少女に、 通りかかった車が派手にハネを浴びせた。 車を止めて降りてきたのがヨンナム。 海辺の漁村の交番に赴任した新所長だ。 「ねえ、ちょっと」と声をかけるが 少女はびしょ濡れのまま、田んぼの真ん中を...

雨が降るエルヴィスの涙のように

〜 「バンディッツ」48

雨が降るエルヴィスの涙のように     シュヴァルツの読みは当たった。出航を目前にした4人は 置き土産とばかり、高いビルの屋上に陣取り演奏した。 ルナの傑作「レイン・フォール」だ。 「バンディッツ」の旗をはためかせ、 ルナのギターが、エンジェルのベースが、エ...