ゲイ映画のキメ台詞

LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

それほど愛されて羨ましいです

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑩〜

それほど愛されて羨ましいです抑制の効いたシドニーの声に王妃は気づかない。無頓着に続ける。「今こそそばにいてほしいのに、ガブリエルはなぜこないの?わたしはフランス王妃よ。でも認めざるをえない、わたしが恋の虜だと。ガブリエルは何が不愉快なのかしら。わたしが何をしたというの?」ポリニャック夫人にしたら、王妃さえ手中にしておけ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

一人の女性を好きになったことある?

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑨〜

一人の女性を好きになったことある?シドニーが王妃に呼ばれた。王妃は訊く。「一人の女性を好きになったことある? その人の姿が見えないと苦しくなるくらい。わたしは何時間も目を閉じてあの方の顔を思い浮かべることができる。あの和らかい肌。はじけるような笑顔…」シドニーこそいい面の皮です。どんな気持ちだったでしょうね。嫉妬? で...
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手紙を読むのに朝までかかりそう

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑧〜

愛人の手紙を読むのに朝までかかりそう正確には「愛人の手紙を読むのに、朝までかかりそう」です。愛人とはもちろんポリニャック夫人。王妃嫌いの女官の、底意地の悪い言い方です。どこにでも、人が困ったときに正体を現す人っていますね。豪華な暖炉が赤々と燃えているこのシーンは、実際にヴェルサイユの「王妃の間」で撮影されました。有名な...
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待つわ。王妃に呼ばれるのを

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑦〜

待つわ。王妃に呼ばれるのをシドニーの数少ない宮廷の友人が記録係りのモローです。ヴェルサイユのあらゆる記録を綴り続けてきた老人。いつも書き物をしているモローと、本を読むシドニーは気があう。モローはシドニーが、王妃を愛するあまり、何も見えないのではと、心配している。革命軍が押し寄せる。「君はどうする」とモローがシドニーに訊...
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最初の名前は王妃

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑥〜

最初の名前は王妃ギロチンリストがヴェルサイユに届いた。最初の名前は王妃。次にポリニャック夫人。 要は、革命軍にいわせると、フランスの国庫を食い潰したのはこのふたりであり、いちばん先に首をはねろ、というわけね。 ヴェルサイユは蜂の巣をつついたような大騒ぎです。 (「マリー・アントワネットに別...
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王妃の心の支えよ

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」⑤〜

王妃の心の支えよシドニーの周辺では、宮廷スズメの噂話がかしましい。王妃の恋人であるポリニャック夫人に対してはボロクソだ。「田舎の借金女が、王妃の寵愛を受け、またたく間にのし上がった。とんだ尻軽女よ」「彼女はゴンドラの船頭ともいい仲だって」「借金女」は王妃をも手玉にとる凄腕ですが、疑いもしない王妃。シドニーは「借金女」の...
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会えなくなる。耐えられない。

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」④〜

会えなくなる。耐えられない。シドニーは刺繍の名手です。どんな難しいデザインでも早く、美しく仕上げる。刺繍係に配転を願い出ればいいのに、と同僚は進めます。たぶんそのほうが仕事はラクで給料もいいのかもしれない。シドニーにしたらとんでもない。朗読係だから王妃と会える。王妃の顔を見て、声を聞き、言葉も笑顔もかわすことができる。...
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可愛い腕がこんなに腫れて

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」③〜

可愛い腕がこんなに腫れて朗読中、シドニーは腕をぽりぽり掻く。王妃は目ざとく、シドニーの腕に散らばる赤い斑点を見つけ、かわいそうに、蚊に食われたのね、と腕をさする。王妃を見るシドニーの視線は、刺すように鋭い。叶えられるはずのない恋は、刃のごとくとんがっている。「香油を持ってきて」王妃は女官に命じる。「もう効き目が…」とり...
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「まさか今頃気がつくなんて!」

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」②〜

「まさか今頃気がつくなんて!」王妃が小説より戯曲がいいというので、シドニーは「フェリシー」を読んでいます。登場人物ふたりのセリフを、王妃とシドニーが受け持つ。「今頃気がつくなんて」は、シドニーが王妃に伝えたい気持ちそのものです。朗読係になって初めて王妃を見てから4年間、王妃を愛している。王妃は気がつくはずもない。屈託な...
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こんな早朝になんとお礼をいえば?

〜「マリー・アントワネットに別れをつげて」①〜

ラボルドさん、こんな早朝になんとお礼をいえば?本作はヴェルサイユ宮殿における、マリー・アントワネット最後の4日間。フランス革命という大パニックがあぶりだした、王妃と彼女を取り巻く人間像です。ヒロインは王妃の朗読係シドニー(レア・セドゥ)とマリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)。シドニーという架空の女性が、誰も見...