我らの歌の響きを聴け

我らの歌の響きを聴け

 

「問題が起きた」ダグから緊急電話。

「ゲイがウィルスの元凶だと訴えている。

君の絵も危険視された。印刷もできない」

トムはアメリカに飛んだ。

機上の窓から戦闘機が炎上墜落する幻想を見る。

フィンランドの戦場が浮かんだ。

「我々は負ける、死ぬんだ、そうでしょう、中尉」

トウコ(トム)中尉は

「君はテノールか、君はバスだったな」とだけ言い

自ら歌い出した。

「我らの歌の響きを聴け」

夜の戦場に歌が流れた。

トムは思う。

「我らの歌の響き」を、今こそ自分が歌うべき時が来たのだ。

 

 

〜「トム・オブ・フィンランド」〜

 

bn_charm