ゲイ映画のキメ台詞

LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

会いたかった、ウソじゃない。

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「ブエノスアイレス」③〜

会いたかった、ウソじゃない。ウィンが旅費を使い果たしていたので、ファイは帰国の旅費を稼ぐのに、ブエオノスアイレスのタンゴバーに勤め、ドアマンをやります。ある夜、数人の男連れの客の中にウィンを見つける。数日後ウィンが大けがをしてファイのアパートに転がり込んできた。「俺にさわるな、ブン殴るぞ」と睨みつけるファイに「会いたか...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

「イグアスの滝は?」「方向が逆だ」

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「ブエノスアイレス」②〜

「イグアスの滝は?」「方向が逆だ」イグアスの滝にいきたいのに、逆の方向に走っていた。主人公ふたりの未来を暗示するような導入部です。「地図を読めないのか、道が違うぞ」カンカンに怒るファイに「引き返して正しい道を探せばいいさ」とウィン。だだっ広い平原を道路が一本、地平線まで走っている。やるせない南米大陸の風景。完全に行き先...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

ウィンはいつもやり直そうという

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「ブエノスアイレス」①〜

ウィンはいつもやり直そうという冒頭から男同士のベッドシーンです。行き詰った仲をやり直すために香港からブエノスアイレスに来たふたり。ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)。愛撫というより、オスの獣が噛み合うような激しさです。ファイは真面目で誠実、ウィンはわがままで身勝手で遊び好きの男。ウィンにたびたび、ひど...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

お静かに

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑮〜

お静かにダイアンは自分の部屋で、青い鍵を見つめています。殺し屋の仕事は済んだのです。愛も夢も消えた。若さと希望にあふれ、空港に降り立ったダイアンは、青白い疲れ果てた女となって、カーテンを閉め切った部屋にいます。ナオミ・ワッツはこの難しい役を演じきったことで認められました。駆け出し時代、オーディションで一緒だったニコール...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

心の底から望んでいるわ

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑭〜

心の底から望んでいるわこの映画にはリンチがちりばめた寓意の形象がいたるところに現れます。死神のカーボーイ、レストランの陰に潜んだ醜怪なホームレスは、カミーラ殺害を願うダイアンの慚愧と悔恨の表象です。それらを書いているとリンチの術中から逃れられませんので、追跡するセリフはダイアンとカミーラにフォーカスしました。カミーラが...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

ダイアン・セルフィンです

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑬〜

ダイアン・セルフィンですカミーラとアダム(監督)のパーティに招かれたダイアンは、華やかな映画界の来賓の席で、アダムの母親からあれこれ質問される。この母親が誰あろう、冒頭現れたマンションの管理人ココです。ダイアンの夢の世界では、現実とは真逆のサクセスが描かれました。親切な人たちに取り巻かれ、才能に溢れたダイアンはオーディ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

カミーラ、帰ってきたのね

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑫〜

カミーラ、帰ってきたのね妄想の覚めた世界にベティはいます。本名はダイアン。「カミーラ」はリタの現実の名前です。ダイアンとリタはどちらも女優の卵でした。未来を夢見るふたりは愛し合うようになった。先に主役をつかんだのはカミーラで、一向に芽が出ないダイアンはカミーラの主演映画に端役で使ってもらっていた。カミーラはダイアンとの...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

ベティ、ベティ、どこへ行ったの?

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑪〜

ベティ、ベティ、どこへ行ったの?ベティとリタはクラブから帰ってきました。すぐそばにいたベティの姿が見えません。「ベティ、ベティ、どこへ行ったの?」リタは部屋中を探す。ベティのバッグには小さな青い鍵が。青い小箱が落ちていた。鍵で箱を開ける。スクリーンにぐんぐん広がる黒い闇。文字どおりベティを飲み込んだ溶暗です。 ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

以前にも増してあなたを愛している

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑩〜

以前にも増してあなたを愛しているステージではロスの「泣き女」が歌っています。「あなたを忘れたと思っていた/以前にも増してあなたを愛している/あなたの愛は冷めてしまった/だからわたしは/あなたを慕って泣きつづけるだけ」客席のベティとリタの頬をとめどなく涙が流れる。歌は愛の展開を告げています。リンチの挿入歌のうまさは天下一...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

これらは何もかもまやかしです

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」⑨〜

これらは何もかもまやかしです夜中の2時、リタはベティを急がせ、クラブ「シレシオン」に行きます。客席はちらほら。リタとベティは一心にステージを見つめる。司会者が現れ、「これらは何もかもまやかしです」映画はいよいよ中枢へ。虚無と狂気と官能の世界。リンチが手の内を見せようとしています。 (「マルホランド・ドライブ」...