家族が恥をかくもの
トムが妹に自作を見せています。
「なるほどね」
妹の反応は薄い。
「ファンがいるんだ」とトム。
「どこで発表を?」
「世界中で」
「ペニスの絵を?」
「人気がある」
「あらそう。兄さん、ペンネームを使ったのは正解ね。
家族が恥をかくもの」
ヴェリはすでに亡くなっています。
妹の目の前の壁にはトムの作品がズラリ。
それまでのゲイスタイルを一変させる逞しい男たち。
制服、制帽、オートバイにまたがる男、抱き合うマッチョたち。
トムはひよわでなよなよしたゲイの先入観を
ルッキズムから覆していました。
〜「トム・オブ・フィンランド」〜