兄は神を冒涜しています
イザベルは言う。
「兄が若いとき書いた詩は神を冒涜しています。
私と母は破棄したいと考えています。
兄は改宗したのです。病気の兄と神について話し合った末に。
兄は告解を申し出ました」
「彼の身に何か?」
「膝に腫瘍ができました」
「奇妙ですな。私と同じです」
ヴェルレーヌの言葉がどこまで事実かわからないが、
ランボーの詩を破棄したいという妹の意思を聞き、
急遽、話題を変えたふうに捉えられたのは勘繰りすぎ?
ヴェルレーヌにとってはそれこそ文学への冒涜であったろう。
〜「太陽と月に背いて」〜