「マチルド!」

 

「マチルド!」

 

マチルドとヴェルレーヌは車中の人となりました。

「あ〜ん」ヴェルレーヌが開けた口に、マチルドが何か食べさせる。

母親も仲のいい夫婦に安心しました。

列車が国境通過。パスポートチェックのため乗客は一旦、外に出ます。

乗り換え車両が到着する。

「新聞を買ってくる」

ヴェルレーヌが席を外しました。いくら待っても帰ってこない。

「マチルド!」名を呼ばれ振り向くと、向かい側の車両からは

アカンベーするヴェルレーヌとベロベロと舌を出すランボー。

茫然自失のマチルドが母親は哀れで目をそらします。

ヴェルレーヌとマチルドが会ったのはこれが最後でした。

そうならなければ、むしろおかしいわね。

 

 

〜「太陽と月に背いて」〜

 

 

bn_charm