天才少年扱いはイヤだから

 

天才少年扱いはイヤだから

 

「歳はおいくつかな」と尋ねたヴェルレーヌに「16歳です」

「君が送ってきた詩は21歳にしても見事だが、16歳となれば驚異だ」

ランボーは「天才少年扱いはイヤだから」21歳と書いた、と言います。

早熟であることもさることながら、

その自信満々にヴェルレーヌは気圧されます。

ガツガツ食事を平らげ「ゲブッ」大きなゲップを吐き

カンカンカン、荒っぽくキセルの灰を皿に叩きおとす。

「お父様は?」の質問に「飲んだくれて、消息不明です」

マチルダも母も言葉の接ぎ穂がありません。

詩人の集まりがあるから紹介しようというヴェルレーヌに

「詩人は交流すべきだと? 二流の詩人ならね」

一流の自分はそんな連中とつるむ必要はないと聞こえます。

 

 

〜「太陽と月に背いて」〜

 

 

bn_charm