生活費の援助をやめた
著者サイン会。行列ができヴィオレットが自著にサインしています。
ラストの字幕にこう出ます。
「私生児」は「ベストセラーとなりボーヴォワールは
生活費の援助をやめた」
ヴィオレットは1972年、南仏フォコンで死去。61歳。
「私生児」の発表は56歳のとき。死の5年前だ。
間に合ってよかった。
ボーヴォワールはヴィオレットの成功を見届けるまで
援助を続けたのですね。
ボーヴォワールの「第二の性」にこんな箇所があります。
「女は出発点で疑われている。だから証拠を見せねばならない。
彼女に価値があるならそれを実証するだろうと人は言う。
しかし価値はもともと与えられている本質ではない。
それは幸運な発展の到達点である」
多くの人の支えと教示があり自分もまた「幸運な発展」を得た。
ヴィオレットにもできるはず。
ヴィオレットの到達点こそ、ボーヴォワールの
この信念に支えられたものだった。
稀有な友情物語と言っていいと思います。
〜「ヴィオレット〜ある作家の肖像〜」〜