「招かれた女」に感動しました
一言で言うと、ヴィオレットという女性作家が
ベストセラーを出すまでの20年に及ぶ苦難の物語。
時代は1945年終戦直後のパリ。
ボーヴォワールの「招かれた女」を読んで感動したヴィオレットが
ボーヴォワールにカチコミをかけるところから始めます。
ヴィオレットの半生は貧しく、恵まれた家庭ではありませんでしたが、
彼女の恋人モーリスは書くことを教え、「耐え難い思いを紙にぶつけろ」と
促しました。彼はゲイです。
「貪欲が君の悪癖だ」とヴィオレットを評します。
男はヴィオレットとの同棲に辟易しトランクを抱えパリに逃走する。
パリに来たヴィオレットは
闇商売の商品を届けに来た家にあった分厚い「招かれた女」を
こっそり持ち帰った。「女性がこんな本を」と驚いた。
質量とも圧倒され、著者シモーヌ・ド・ボーヴォワールを
カフェで待ち伏せし、花束を持ってストーカーします。
彼女のこの積極性が一生の転機となりました。
貪欲であることはいいことなのです。
〜「ヴィオレット〜ある作家の肖像〜」〜