大げさなんだよ!

 

大げさなんだよ!

 

劇場から出て行くヴィオレットの様子を見たジャン。

「どうしたんだ?」

「どうならいい? 劇場でも歓迎されない、本は売れない」

怒り嘆くヴィオレットに「大げさなんだよ!」と一喝。

生後7ヶ月で母親に捨てられ、15歳で感化院、18歳で外人部隊、

脱走してヨーロッパを放浪し、窃盗、男娼、麻薬密売。

終身刑の求刑前にジャン・コクトーらの尽力で釈放。

そんなジュネにしたら生きてるだけで丸儲けだ。

ヴィオレットの嘆きは「大げさ」という実感しかない。

でもヴィオレットは黙っていない。

「ジャン、あなたの戯曲はクソよ」 言いますね。

 

〜「ヴィオレット〜ある作家の肖像〜」〜

 

 

bn_charm