Diversity Studies

ウィリーの新作は世界を変える

〜「コレット」⑯〜

  ウィリーの新作は世界を変える   「学校のクロディーヌ」は作者ウィリーとして発表された。 瞬く間に反響を呼び「ウィリーの新作は世界を変える」と絶賛。 「パリ中の人々が彼を天才だと賞賛している」とシュウォヴ。 「あなたは?」とコレット。 「あの本を書いたなら天才だ」とシュウォ...

私の興味は奥様よ

〜「コレット」⑮〜

  私の興味は奥様よ   コレットはガストンという劇作家に紹介された。妻を同伴している。 親しげに彼と会話が弾むコレットを見て、ウィリーは面白くない。 帰りの馬車で嫌味を言うと、コレットは 「的外れな嫉妬よ。私の興味は奥様よ」 あっさり同性への関心を表明し「どう思う?」と夫に聞...

正気を保つために書いている

〜「コレット」⑭〜

  正気を保つために書いている   ウィリーには何人かのゴーストライターがいます。 シュウォヴはその一人。コレットも書き始めたと知り 「例の本は?」と訊く。 「ウィリーのお気に召さなかった。名を残さず死ぬわ。あなたは?」 「書いているだけだ」シュウォヴは寂しそうに言い 「だが...

歴史を作るのはペンを握る者

〜「コレット」⑬〜

  歴史を作るのはペンを握る者   「人々が求めるのは心を揺さぶる力強い物語だ」とウィリー。 コレットは目を輝かせる。 「何を書いてもいいの?」 「そうだ。歴史を作るのはペンを握る者だからね。君には脱帽だ」 持ち上げておいて「だが…」 「ズバリ言って」 「物語を動かす筋がな...

学校のクロディーヌ

〜「コレット」⑫〜

  学校のクロディーヌ   コレットは書き始めました。 「私の名はクロディーヌ。モンティーニに住んでいる。1873年、 そこで生まれた。死ぬのは別の町だろう」 素直な書き出しを読んで「そうか、才能あるんだな」と夫のウィリー。 彼も才能のない男ではない、自分で書くのはともかく、 ...

君が書けるじゃないか!

〜「コレット」⑪〜

  君が書けるじゃないか!   「ローンに外食、賭け事、浪費をやめるの」 節約を説くコレットに、ウィリーはひらめく。 「君が書けるじゃないか!」 ポカンとしているコレットに 「急いで書き上げるのだぞ。取立屋が来るぞ」 どこまでも調子のいい夫のご都合主義に、 でもコレットは腹...
LGBTQ当事者のハードルをクリアした「パートナー共済~わたしの愛をカタチに~」

LGBTQ当事者のハードルをクリアした
「パートナー共済~わたしの愛をカタチに~」

株式会社ダイバースパートナーズは、パートナー共済会から「パートナー共済~わたしの愛をカタチに~」の募集・管理・運営業務を受託し、2020年5月25日(月)から加入募集を開始しました。   ◆1分でわかる パートナー共済(動画) https://youtu.be/v_4MMEK0rdg   ...

労働の対価を払え!

〜「コレット」⑩〜

  労働の対価を払え!   ウィリーが吊し上げを食っています。 彼のゴーストライターたちが、 「労働の対価を払え」とねじ込んできたのです。 なだめすかして引き上げさせたとたん、 「ふん、私の名前がなければ仕事もないくせに」 ウィリーという人物、物を書くより、マネジメントに才能...

何かにかかわりたい

〜「コレット」⑨〜

  何かにかかわりたい   夫が迎えに来ました。 「パリの女をみんな足しても君にはかなわない」 ヌケヌケいう彼に 「あなたの底は見えたわ。せめて嘘をつくのだけはやめて」 そして独り言のように 「何かにかかわりたい。妻に終わらず世界に触れていたいの」 これですね、ボーヴォワー...

あなたらしい結婚にするの

〜「コレット」⑧〜

  あなたらしい結婚にするの   母親はこうも諭します。 「結婚という形になれなきゃ。あなたらしい結婚にするの」 あなたらしい結婚にするの、なんて、 喧嘩して帰ってきた今の時代の娘にも使えそう。 我慢が大事だとか、あなたも反省してとか言わないところがいいわ。   ...