ホミネ、あいつ、死んだ
吉崎が言った。
「ホミネって覚えてる? あいつ、死んだ。バイク事故だって」
ホリガイ、呆然。
「実家が島根なんだ。俺、行ってくるわ」
ホミネに話すはずだった児童福祉士への志望動機は
話せないまま、宙ぶらりんになった。
ショックだ。
ホリガイは「負けることを前提」にして
何かを回避しようとしてきたが、ホミネの死は
ホリガイのそんなバリケードを打ち破ります。
用心深いのもいいが、人生はそれが役に立たないこともあるのでは。
正面から四つに組んで押し合っていくしかないこともあるのでは?
ホリガイは考え込まざるを得ない。
〜「君は永遠にそいつらより若い」〜