彼女は!

 

私を撃って!

 

甲板にいるのは5人だ。アルマ、キャロル、夫、ナンバー5、少女。

アルマがキャロルに叫んだ。

「あんたは冷酷で下劣な人間よ。私を死なせたいの? 私を夫に渡す気?

2人とも最低よ。待っていたのよ。何もできないくせに」

どこかでキャロルに救われたかった。

夫がキャロルを床に突き飛ばし、アルマを連れて行こうとする。

少女が銃を構えた。アルマ「私を撃って。胸を」

少女は撃つのだ。アルマに1発、夫に2発浴びせる。

ナンバー5は恐ろしさにしゃがみ込んだ。

キャロルはアルマを抱きかかえ、車に運んだ。

でもどこへ行けるというのだろう。ここはフェリーだ。

少女が来た。アルマを抱き寄せ、銃声が響いた。

少女は自分の役割を、死を果たしたのだ。

救いのない映画が、なぜか至福の狂気という言葉を思い起こさせる。

 

〜「ラ・ピラート」〜

 

 

bn_charm