ゲイは美しいものが好きなの
ルイのギャスパー・ウリエルが終始ウツ状態で演じます。
彼の死期が近いことなど、受け入れる家族は知らない。
誰でも経験があると思いますが、自分自身では大問題だけど、
周囲の人や社会からすれば「たかが」っていう落差、けっこうありますね。
母マルティーヌは精一杯おしゃれしている。
「ゲイは美しいものが好きなの」。彼女だけがルイにざっくばらんに接する。
妹も、もちろん初めて会う兄嫁も、どこか腫れ物にさわるようにルイに
向き合い、兄貴ときたら「せっかく平和に暮らしていたのに、厄介者が
帰ってきた」みたいな調子で不機嫌丸出し。
一言、一言の受け答えに、周波数乱れっぱなしの家族です。
そういう一面が家族にはある、という前提で、グザヴィエ君、
落ち着いて進めます。老成しています。