恐れながら生きないで

恐れながら生きないで

 

事情聴取に引っ張った事件の参考人が、どうしても口を割らない。

彼女とふたりだけにして、とローレルは男の刑事たちを去らせ、

「何かを恐れながら生きるって嫌よね」と話しかける。

「私は16だった。ある秘密があって、それを隠そうとしたの。

抑えきれなくて母親に相談した。結局精神病院に入院したわ。

ものすごく怖くて神経衰弱になり、生きられないと思った。でも生き延びた。

何かを隠して生きるのは辛いものよ。

犯人を逮捕して、あなたを守るから、恐れながら生きないで」。

この説得が事件解決の鍵になります。

ローレルは隠すことをやめた。恐れることもやめた。

広々した自由な世界が開けていた…。

ローレルは家を買いました。中古だけど、庭もある。大きな犬も家族となった。

そして信じられない残酷な運命をも、人生はもたらすのです。

 

(「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」)

 

 

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