男女の結婚よりずっと大変
町役場で、新制度のドメスティック・パートナーの登録に行ったふたりは、窓口で手続きをする。
共有名義の不動産権利書、銀行口座に権利証書を揃え、パートナー証明書を申請する。
ローレルはジャケットを、ステイシーはスーツにネクタイ、目一杯フォーマルな服装で、
神妙に証明書の発行を待っています。
「はい、証明書」窓口の女性が出してくれた。
「ありがとう」とローレル。
ジュリアン・ムーアがうまいな、と思うのはこういうときの表情です。
ローレルにとって社会的認知を受けたことは、今までのように隠して生きて行く必要のなくなった、
万感の思いなのです。
作った笑顔でもなく、難しい顔でもなく、自然な、気持ちの込もった
「ありがとう」でした。