ピーター・フリードマン

このほうがラクなのよ

〜ルームメイト⑩〜

このほうがラクなのよ   「帰ってよ」アリーは頼むがサムはもちろん帰らない。 「一人でいるほうがラクなのよ。忘れたいのよ」 「誰にも過ちはある。僕もその一人だ。償うチャンスをくれ」 誰にでも過ちはある、なんて自分でいうか。 虫のいい謝り方だと思うけど、権利主張主義のアメリカでは フツーな...

私はお邪魔のようね

〜ルームメイト⑨〜

私はお邪魔のようね   サムとアリーが話したがっている。 「私はお邪魔のようね。いてほしい?」 アリーは首を横にふる。これもヘディは気に入らなかったに違いない。 彼女はすでにアリーは自分のものだと思っていますから、 男とふたりになるなんて裏切りでしかない。 そういうことではないといったっ...

私とお揃い?

〜ルームメイト⑧〜

私とお揃い?   アリーはヘディのクローゼットに自分の服があるのを見て、 アリーが借りていったのだと思った。 でも自分のクローゼットにその服はちゃんとある。 同じ服を買ったのだ。 「私とお揃い?」だんだん気色悪くなる。 「犬用のクッキー、お土産よ」 そう言って帰宅したアリーは仰天する。...

ルームメイト、見たよ

〜ルームメイト⑦〜

ルームメイト、見たよ   ある日グラハムがアリーに「ルームメイト、見たよ。君かと思った」 「?」「君と同じ服装なので追いかけたんだ。神経質そうな人だね」 「周りの住人に気をつかっているのよ。紹介したいけど、人見知りなの」 同じ服装? 腑におちない。ヘディにはわからない部分がある。 抵抗な...

さあ、家族写真撮るわよ

〜ルームメイト⑥〜

さあ、家族写真撮るわよ   子犬の名前はバディ(相棒)。 アリーとヘディは真ん中にバディを置いて 「さあ、家族写真、撮るわよ」るんるん。 一点のかげりもない仲良し家族です。 落ち込んでいたアリーとは人が変わったよう。 「心配していたんだよ」というグラハムに「女友達って楽しいわ」 「女は...

ラブラドール子犬350ドル

〜ルームメイト⑤〜

ラブラドール子犬350ドル   アリーが帰ってみると子犬がいた。 断りなく決めたことにムッとしたアリーに 「明日必ず返しに行くわ」 その前に、アリーにかかってきたサムの留守電をヘディは消しています。 憎々しそうに「消去」するヘディの顔と、 心からすまなさそうにアリーに謝る落差。 翌日ヘ...
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双子の姉がいたけれど…

〜ルームメイト④〜

双子の姉がいたけれど…   ヘディはあまり身の上話をしませんが、 「双子の姉がいたけれども、死産だった」とだけ言います。 だから「体の一部が欠けている気がする」とも。 つまり、ヘディが求めているのは「もう一人の自分」です。 引っ越し祝いにアリーは電気スタンドを、ヘディはイヤリングを プレ...

仲直りの可能性はないの?

〜ルームメイト③〜

仲直りの可能性はないの?   ボーイフレンドを追い出したというアニーに 「仲直りの可能性はないの?」とヘディは訊く。 よりが戻ったら追い出される羽目になるし、それは「悲惨だから」 アニーはきっぱり「よりは戻らないわ」 「いいの?」 自分でいいのかと心配げに念をおすヘディ。 二人はすっか...

アリソンさんね。辛いことでも?

〜ルームメイト②〜

アリソンさんね。辛いことでも?   ヘディ(ジェニファー・ジェイソン・リー)の登場シーンがいい。 部屋に一人、寂しくなったアリーが床にしゃがんで泣く。 アリーの膝を抱えた向こうに、キュロットと編上げ靴を履いた脚が現れる。 ゆっくり歩いてきて「アリソンさん? ドアが開いていたから」 顔を上げ...

ルームメイト求む

〜ルームメイト①〜

ルームメイト求む   1992年の映画ですが、今見ても古くありません。 主演のブリジット・フォンダとジェニファー・ジェーソン・リーが よかったこともあります。特に悪役に回ったジェニファーが出色でした。 彼女の役柄は確かにフツーではありませんが、 監督がバーベット・シュローダーです。 彼の...