ルームメイト、見たよ
ある日グラハムがアリーに「ルームメイト、見たよ。君かと思った」
「?」「君と同じ服装なので追いかけたんだ。神経質そうな人だね」
「周りの住人に気をつかっているのよ。紹介したいけど、人見知りなの」
同じ服装?
腑におちない。ヘディにはわからない部分がある。
抵抗なくサラサラと付き合ってきたけど。
いますよね。コミュニケーション上手だけど、
さっぱり本心をつかませない人が。
ヘディの異常な執着心は、品行方正、ノーマルが服を着ているような
アリーにわかるはずもありません。
「ルームメイト」が大ヒットしたのは、もう一人の自分への執着、それも
異常な自己同化の願望を、犯罪のスリルと絡ませたことです。
蜘蛛が獲物を取り込んでしまうのと同じ。
狙いを定められたほうはたまりません。