ゲイ

彼女の卑しさが好きなの

〜ゲイ・アイコン⑨ベティ・デイビス〜

  「私は彼女の卑しさが好きなの」 デイビス扮するヒロインの名前はジュリー。 早く両親を亡くしたジュリーを母親代わりに育てたのが叔母のベル(フェイ・ベンダー)。 叔母は姪の性格がよくわかっている。 名家の令嬢として何不自由なく成長し、男を男と思わないセレブの娘。 問題児だが、叔母さんは、ま...

愛で助けることはできない

〜ゲイ・アイコン⑧ベティ・デイビス〜

  「愛で助けることはできない」 1940年代とは、女性像を覆すヒロインたちがスクリーンに続々登場した時代です。 それは世間の女が夢見るハッピーエンドとは無縁の女たち。 ベティ・デイビスの演じた本作の強烈な自我のヒロインは、ひとつも男の言うことを聞かず、男は貞淑な優しい女性を妻に選ぶ。 男は...

アバズレで悪かったわね

〜ゲイ・アイコン⑦ライザ・ミネリ〜

  「アバズレで悪かったわね」 ジュディ・ガーランドが登場したら、彼女の娘、ライザ・ミネリもぜひ出したい。 ライザの主演作「キャバレー」はいい映画ですよ。 いつか女優になるという夢をすてきれず、場末のキャバレーで歌う歌手がライザ。 同じ下宿人のゲイの男たちと気があってズケズケ隠し立てのない話...

他に要求は? 僕の腎臓か、肝臓か?

〜ゲイ・アイコン⑥マリア・カラス〜

  「君の決意は立派だよ。でも周りはさんざんだ。僕も半分出資したよ。わかった、映画はオクラにしよう。他に要求は? 僕の腎臓か、肝臓か?」 引退同然だったマリア・カラスをカムバックさせようとするプロデューサーにジェレミー・アイアンズ。 コンピューター・テクノロジーで、過去の歌唱を再生し、カラス...

虹の彼方に

〜ゲイ・アイコン⑤ジュディ・ガーランド〜

Over the Rainbow. 「虹の彼方に」 ゲイを象徴するレイボー・フラッグは「虹の彼方に」から生まれました。 ジュディ・ガーランドは「オズの魔法使」で、少女ドロシーを演じ、主題曲が「虹の彼方に」でした。 ゲイに理解ある有名人として、彼女の積極的な支援はマイノリティたちの敬愛を集め、 ...

何をきかされたってよかった

〜ゲイ・アイコン④エリザベス・テイラー〜

  「ええ、あなたを取り返すためなら何だってしたわ。あなたが男を愛していると、たとえ何を聞かされたってよかった、そんな気持ちだった。」 夫(ポール・ニューマン)はゲイだ。 友人を愛している。 友人はゲイを苦に自殺した。 夫は妻(エリザベス・テイラー)に指も触れなくなった。 夫は妻が友人の泊...

愛しています。それを言いたくて

〜ゲイ・アイコン③エリザベス・テイラー〜

  「愛しています。それを言いたくて。」 モンゴメリ・クリフトはリズのプロポーズを拒否した、たったひとりの男性です。 彼はゲイで、リズに対しては妹のような愛情だったのでしょう。 上のセリフは「陽の当たる場所」のラスト。 死刑が執行される直前の恋人モンティ(モンゴメリ)にリズは面会に来た。 ...

マミー

〜ゲイ・アイコン②エリザベス・テイラー〜

  「マミー」「わたしはママじゃないわ」…「マミー」 小さな娘を過失で亡くした娼婦のリズが、ちょっと神経のおかしい女、ミア・ファーローと出会う。 彼女はリズを勝手に「マミー」と呼ぶ。 彼女は母親を亡くしていた。 リズは気味悪がるが、妙な女は強引に豪邸の自宅に招き、おいしい食事を作る。 リズ...

シドニー、聞きたいことがあるの

〜ゲイ・アイコン①マリー・アントワネット〜

  「シドニー、聞きたいことがあるの」 マリー・アントワネットはゲイ・アイコンの中でも突出したビッグです。 王妃の女性関係は多くの流布がありますが、映画「マリー・アントワネットに別れをつげて」は、元朗読係シドニーの献身という形を取っています。 シドニーが主人公ですから、王妃に点が辛くなっている...

わたしの大きな輝かしい罪と

〜ふたりの詩人〜

  「死後も毎夜彼と会っている。わたしの大きな輝かしい罪と。」 映画ではふれませんが、ヴェルレーヌはランボーと別れたあと、田舎の中学校に教職を得、美少年リュシナンに恋し、彼とイギリスに渡る。 離婚した妻と和解を図るがムダに終わり、リュシアンを伴い帰国、リュシアンが死に、彼の故郷で堕落の日を送り、...