オリヴィア・コールマン

女王に気安く触れるな!

〜「女王陛下のお気に入り」㉙〜

  女王に気安く触れるな!   うたた寝から覚めた女王の目に、 アビゲイルがウサギを何気に踏みつけているのを見えた。 これがアビゲイルの正体だった。 ムクッとベッドから起きた女王は不自由な脚でよろめく。 「アン、愛しいアン」アビゲイルが駆け寄り助け起こそうとする。 その時だ。...

彼女はやらない

〜「女王陛下のお気に入り」㉘〜

  彼女はやらない   アビゲイルが心配顔できた。 「困惑しています、陛下。お金の問題なので。帳簿を見て気付きました。 大金がモールバラの手に。サラが夫に渡したと」 最後まで言わないうちに女王は一言で退ける。 「彼女はやらない」 断固とした口調にアビゲイルは接ぎ穂もない。 ...

本日中に宮廷からお立ちのきを

〜「女王陛下のお気に入り」㉗〜

  本日中に宮廷からお立ちのきを   侍従が告げる 「陛下が鍵を返却せよと。そして本日中に宮廷からお立ち退きを。 拝謁は許可なさらぬそうです」 サラは閉ざされた扉越しに訴える。 「手紙は一通残らず燃やしたわ。私はもう戻らない。 アビゲイルはあなたを愛していない」 「彼女は私...

あなたから来たたくさんの手紙

〜「女王陛下のお気に入り」㉖〜

  あなたから来たたくさんの手紙   「あなたから来たたくさんの手紙。 “抱きしめて”“重ねた体の熱さを体感したい” 新聞に書かれたらあなたは破滅よ。アビゲイルを解雇しないなら 手紙を利用する」 しかしサラは手紙を火中にします。愛を政治に利用したくなかった。 潔癖で公平な彼女...

男なら英雄のしるし

〜「女王陛下のお気に入り」㉕〜

  男なら英雄のしるし   ひどい顔。目を背ける女王に 「そんなにひどい? 男なら英雄のしるし」 サラはビクともせず「私を見て。一度しか言わない。 アビゲイルを解雇して」 「それはいや」 「腹黒い女よ。言う通りに」 「妬いているのね」 どこまでも嫉妬だと捉える女王。 「...

私が勝った

〜「女王陛下のお気に入り」㉔〜

  私が勝った   頬に無残な切り傷のままサラは宮廷に戻る。 アビゲイル「お戻りに」 サラ「地獄から。いずれあなたも行くところ」 火花が散っています。 アビゲイル「私の心には信頼という発想がないし、黙って潰されはしない。 私が勝った。もう戦う必要はないの。最高では? 私を許...

王国は無事?!

〜「女王陛下のお気に入り」㉓〜

  王国は無事?!   サラは金貨10枚で娼婦を抱き込み、 朝ハイドパークでアヒルを散歩させている貴族を連れてきてくれと頼む。 サラの盟友ゴドルフィンが助けに来た。 彼を見たサラの最初の一言「王国は無事?」 寝ても覚めても、のワーカホリックがサラ。 顔がズタズタになり身売りさ...

彼女なしでは無よ!

〜「女王陛下のお気に入り」㉒〜

  彼女なしでは無よ!   さすがに女王はサラの不在がただ事ならぬ事態だと気づく。 「彼女を見つけなさい!」 彼女なしでは無だと落ち込む女王に、アビゲイルはやさしくささやく。 「ご無事です。きっと見つかります」 気の静まった女王はアビゲイルに感謝。貴族の一人と結婚させる。 結...

「ここはどこ?」「天国よ」

〜「女王陛下のお気に入り」㉑〜

  「ここはどこ?」「天国よ」   毒入り紅茶を飲まされたサラは乗馬中落馬、 気を失って馬に引きずられ顔に重傷を負い 血だらけで気がついた。助けてくれたのは娼館の女将。 「ここはどこ?」「天国よ」 サラが乗馬から帰らない。みな心配するが 「わざとやっているのよ。捜索はいらない...

私を取り合うなんて最高よ

〜「女王陛下のお気に入り」⑳〜

  私を取り合うなんて最高よ   女王はサラとアビゲイルが張り合い、自分を取り合っていると思う。 でもサラが指摘するのはアビゲイルが嘘つきで盗人だ、つまり 背反者だと指摘しているのですが、女王はサラの嫉妬だと受け取る。 自分の代理さえできる能力に長けたサラの言うことを 女王はも...