彼女なしでは無よ!

 

彼女なしでは無よ!

 

さすがに女王はサラの不在がただ事ならぬ事態だと気づく。

「彼女を見つけなさい!」

彼女なしでは無だと落ち込む女王に、アビゲイルはやさしくささやく。

「ご無事です。きっと見つかります」

気の静まった女王はアビゲイルに感謝。貴族の一人と結婚させる。

結婚式を自ら参列して執りおこなう。

「サラが戻る前に式を」なんて言っている。

よくよく女王は恐妻家のようにサラが苦手なのですね。

アビゲイルはつぶやく。

「サラがいた時よりいない時の方が不安。どこから攻撃されるか。

私の人生は迷路。抜け出したとしても別の曲がり角が目の前に」

アビゲイルは厭世家でありニヒリストです。

夢と希望? あってもなくても人生の真実はただ一つ、一寸先は闇。

それを疑わない。

 

 

(〜「女王陛下のお気に入り 」〜 )

 

 

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