本日中に宮廷からお立ちのきを
侍従が告げる
「陛下が鍵を返却せよと。そして本日中に宮廷からお立ち退きを。
拝謁は許可なさらぬそうです」
サラは閉ざされた扉越しに訴える。
「手紙は一通残らず燃やしたわ。私はもう戻らない。
アビゲイルはあなたを愛していない」
「彼女は私に何も求めないわ」
「何も求めないのに上流の身分と年間2000ポンドを?
ハーリーも手なづけたわ」
「彼女のように愛してよ」
「嘘をつけと。あなたは天使のようだと?
違う、あなたはアナグマよ」
サラも頑固ですね。
でも女王は天然かもしれないが凡愚ではない。
どこかでサラという人物を信頼していた。
勝利に酔ったアビゲイルは乱痴気騒ぎ、最後のトドメを刺そうと
サラが公金を横領した疑いがあると女王に吹き込みます。