男なら英雄のしるし
ひどい顔。目を背ける女王に
「そんなにひどい? 男なら英雄のしるし」
サラはビクともせず「私を見て。一度しか言わない。
アビゲイルを解雇して」
「それはいや」
「腹黒い女よ。言う通りに」
「妬いているのね」
どこまでも嫉妬だと捉える女王。
「あなたはハリー(政敵)と侍女のいいなり」
女王は痛いところを突かれカッとする。
「命令に従いなさい。恐ろしい顔。やめて」
真綿でなでるように慰撫するアビゲイル。
遠慮なく切りつけるサラ。
女王にとって最も大事だったのは王国、
かつえていたのはやさしさと、孤独への理解。
善悪、正邪とは異なるレベルで人は判断を決める時がある。