ゲイ映画のキメ台詞

覚えておけ!

〜「中国の植物学者の娘たち」(3)〜

  覚えておけ!   カゴに入った貝殻みたいなものをガラガラとかき混ぜながら 教授、リー・ミンを見ようともせず 「君は時間の観念がなっていない。昨晩は夜の9時に電話をかけ、 今朝は1時間の遅刻だ。私はもう休憩の時間だ」 リー・ミンは一昼夜汽車に揺られてたどり着い...

今日の作業はなに?

〜「中国の植物学者の娘たち」(2)〜

  今日の作業はなに?   教授は籐椅子にふんぞりかえり、娘に足の爪を切らせている。 足は娘の膝に置いている。 娘がアン。本作のもう一人のヒロインです。 ところでお父さん、あなたのその態度、なに? うちの父だって母にそんなことさせませんでしたよ。 アンには...

院長先生、それじゃ

〜「中国の植物学者の娘たち」(1)〜

  院長先生、それじゃ   二人の女性の愛の物語です。 ヒロインの一人、リー・ミンが唐山児童養護施設を出発するシーンから 始まります。彼女は中国人の父とロシア人の母との混血。 両親は唐山大学の外国語教授で、1976年の地震で共に亡くなった。 孤児となった彼女は養...

死後も毎夜彼と会っている

〜「太陽と月に背いて」(57)〜

  死後も毎夜彼と会っている   「ランボーの死後も毎夜彼と会っている。 私の大きく、輝かしい罪と。 私たちは幸福だった」 彼らの愛。 打算があり、駆け引きがあり、サド的なランボーに仕えるがごとく 彼を愛したヴェルレーヌ。 ヴェルレーヌのその後は決し...

アブサン2杯

〜「太陽と月に背いて」(56)〜

  アブサン2杯   ランボーの妹イザベラが去ったあと、ヴェルレーヌはしばらく1人で 座っていたが、おもむろに「アブサン2杯」を注文した。 ウェイターが緑色のアブサンのグラスをテーブルに置いた。 「俺を愛している?」 在りし日のランボーのリフレインが聞こえる。 ...

大詩人にお会いできて光栄です

〜「太陽と月に背いて」(55)〜

  大詩人にお会いできて光栄です   用件を言い終えたイザベルは 「大詩人にお会いできて光栄です」 ヴェルレーヌはパリの高名な詩人となっていた。 「兄の原稿を、この住所にお送りください」と イザベルが一枚の紙片を渡す。 ヴェルレーヌは礼儀正しく彼女を送り出...

もう切らせないでくれ

〜「太陽と月に背いて」(54)〜

  もう切らせないでくれ   ランボーが家にいたのは1か月だった。 「イザベル、頼みがある。もう切らせないでくれ」と妹に懇願している。 痛みのあまり、ベッドから転げ落ちたランボーの脚は1本だ。 それでも彼は家をでたがった。 「太陽の方へ帰ると。太陽が治してくれる...

脚を切断しました

〜「太陽と月に背いて」(53)〜

  脚を切断しました   ヴェルレーヌは最も聞きたかったことを訊く。 「彼は試作を?」 イザベルが遅疑なく「いいえ」 「兄は海岸に着くとマルセイユの病院へ。悪性が疑われ脚を切断しました」 ヴェルレーヌ沈黙。 ランボーは実家に戻り、母親と妹の介護を受けます。...