脚を切断しました

 

もう切らせないでくれ

 

ランボーが家にいたのは1か月だった。

「イザベル、頼みがある。もう切らせないでくれ」と妹に懇願している。

痛みのあまり、ベッドから転げ落ちたランボーの脚は1本だ。

それでも彼は家をでたがった。

「太陽の方へ帰ると。太陽が治してくれると言い続けました」

ある日ランボーは荷馬車の荷台に乗せられ家を離れる。

母親と妹が見送った、それが兄ランボーの、息子ランボーの最後だった。

〜「太陽と月に背いて」〜

 

 

bn_charm