伯爵、泣き言はやめて

伯爵、泣き言はやめて

 

父親の借金のカタに売られたアビゲイルの身の上を聞いたサラは

自分の女官とする。

個室を与えられ、意地の悪い女中仲間を我慢する必要もない。

アビゲイルは見違えるように磨き立てられた。

長い宮殿の廊下をサラに付き従って歩く。

「伯爵、泣き言はやめて。心臓を捻り潰す」

早足で矢継ぎ早に指示を出すサラは完全に女王目線だ。

アビゲイルは今さらながら、サラの権勢を目の当たりにする。

 

〜「女王陛下のお気に入り」〜

 

bn_charm