神父様、やめてください
夜、共同寝室にトレンヌ神父が現れ、ジョルジュに
懐中電灯を当てる。
「神父様、やめてください」
ジョルジュはうるさそうに顔を背ける。
「食堂で朗読を聞いている間、君とあの少年は
何度視線を交わしたかね」と神父。
「私の目はごまかせない」と2人の同性愛関係を仄めかす。
「知られた以上、隠しても仕方あるまい。
私を信頼してほしい」
「信頼?」ジョルジュは身を起こす。どこまでウザイのだ。
「私がアレクサンドルの聴罪師になってやろう」
「君も安心だ。余計な警戒心も無用になる。
私が少年の魂を庇護する」
ジョルジュが拒むと「彼がそう言ったか」
と言い置いて神父は去った。後ろ姿を見るジョルジュの目は
「こいつも邪魔だ」と言っている。
〜「寄宿舎〜悲しみの天使〜」〜