真奈の部屋、落ち着く
真奈にペデュキアをしてやりながら
「真奈は私に何も強制しないのね。
みんな知らないうちにいろんなこと、人に押し付けている」
「すみれも私に何も強制しないよ」
「真奈の部屋、落ち着く。海の底にいるみたい」
就活の話がでた。
「本社が京都なんだけどね」と真奈は迷うふうだ。
「いいじゃない」とすみれ。
「ここに居たいってわけじゃないのだけど、
どっかに行きたいとも思わないのだよね」
「真奈ならどこに行っても大丈夫だよ。
行きたいところ、ある?」
「どうなんだろう」
鷹揚とした真奈は捉えどころがないみたいですが、
根はしっかりしています。
鋭角なすみれはそんな真奈といると安心できた。
〜「やがて海へと届く」〜