電車は来ないよ
津波の描写はアニメです。
赤いスニーカーを履いたすみれの足元が水に浸り
「電車は来ないよ」という文字がゆらゆらと
まるで冥界のメッセージのようにゆらめく。
波がきて駅が沈む。すみれが大波にのまれ沈んでいく。
生まれてからの自分が走馬灯のように通り過ぎる。
赤い糸で引き合ったのはだれ。
束の間、すみれの顔が海面に出た。
海岸を真奈が歩いている。
マネージャーの楢原の死を聞いた真奈の呟き
「最後に見たのはどんな風景だったのだろう」と呼応します。
すみれが最後に見たのは、呼びかけた真奈の幻でした。
〜「やがて海へと届く」〜