昨夜、戻ってないな
気だるそうに朝食のテーブルに来たキャス。
「昨夜、戻ってないな」とパパ。
「残業していたの」
「コーヒーショップは9時閉店だろ」
「棚卸し、していたの」
「月になんべん、棚卸しがあるのよ」とママ。
怒っているふうでも責めているふうでもありません。
のんびりと聞いています。
ニーナの一件以来、娘は殻の中に閉じこもった。
でもそれを無理やり引き剥がそうとしていない。
キャスもそんな両親が好きだ。好きだけれど
今は何も説明できない。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜