ニーナ
現場検証が行われた。
灰に埋もれたペンダントの半分が見つかった。
焼けこげていたが「ニーナ」と読めた。
「キャシー」とあるもう半分はニーナが持っていたものだ。
こんな形で望みをかなえたキャシーは幸福だったのか。
たぶん、そうだろう。
彼女が納得する以外に、
どんな安らぎもキャシーには訪れなかった。
ニーナを奪われた悲しみと喪失が与えた
夜と昼の別人格。
有力な後ろ盾もなく、コネもないキャシーが
考え抜いた結果の孤独な実行。
待っているニーナの元で、半分ずつのペンダントを合わせ
笑いあうことがあればいいが。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜