睨むな、うせやがれ
アパートに連れ込んだ男を翻弄し朝の街に出たキャス。
素足、ジャケットを背に、ヒールを片手に歩く。
「朝帰りかよ」卑猥な声をかけた作業員を無言で見つめる。
たじろぎもしない女。
薄気味の悪さに男たちは「睨むな。うせやがれ」
ほうほうのていで去る。
キャシーは尋常の域にはいない。
強い女でも弱い女でもない、
ただ深い虚無的な女。
キャリー・マリガンがスッと立っているだけのシーンに
監督は持って行き場のない孤独な情念を語らせます。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜