メアリー、あれを見て
翌日天気はいい。シャーロットは機嫌よさそうだ。
軽装で、しっかりドタ靴の紐を締め岩壁の一点を凝視。
「メアリー、あれを見て!」自信満々、指さす。
一瞥したメアリー、「ダメ、大きすぎて運べない」
シャーロット、そんなことで引っ込まない。
やにわに岩場の泥に指を突っ込み、素手で掘り始める。
「…」(やれやれ)。メアリー、スコップを手渡し仕方なさそうに手伝う。
2人で大きな石を板に乗せ、運ぶ。
シャーロットはウンウンいいながら、小さな笑い声を立てた。
ウツだった奥さまとは別人だ。
友だちを見つけたこと、メアリーも自分が好きなこと、
感情を共有し、分かり合え、味方を得たことの安心と楽しさ。
シャーロットは孤独から解放された。
それが彼女を少女のように無邪気にしています。
〜「アンモナイトの目覚め」〜