24時間、看護が必要です
リーバーソン医師が往診した。聴診器を外し
「高熱です。何か寒い思いをしたとか、雨に濡れたとか?」
「さあ」。メアリーはふと思い当たる。
「泳いだかも…」
「それでは凍えますね。24時間、看護が必要です」
「冗談じゃない。よく知らない女よ」
邪険に断ったが
リーバーソン医師はメアリーの人となりをよく知っていた。
化石の発掘をしながら、病身の母親を介護する有能な女性だ。
つっけんどんではあるが、心は冷たくない。
「アニングさん、女性は女性同士、病人は助けるものですよ」
穏やかに言い含め辞去した。シャーロットは昏睡状態だ。
1人で泳げと言ったら本当に海に入ったのだ。
どこまで世話が焼けるのだろう。でも、死んだらどうしよう…
メアリーは考え付く限りの手当てをすることにした。
〜「アンモナイトの目覚め」〜