書くことはやめた

 

書くことはやめた

 

「なにしに来た?」とランボー。

「君の人生に神の導きを与えたい」とヴェルレーヌ。

「目的などない。書くことはやめた。もう書かない」

書くことがない、とランボーは言います。

前はあったけれど、もうない、と。

書くべきことは書き尽くした、

頭の、心の中のどこを浚っても一行も残っていない。

スランプとか、一時の不調とかいう頼りない語調ではなく、

傲然としています。

2人が会ったのはこれが最後でした。

 

〜「太陽と月に背いて」〜

 

 

bn_charm