やめろ、この弱虫め
次の会話はランボーとヴェルレーヌの違いがよく出ています。
「妻を愛している」とヴェルレーヌ。「信じられん」とランボー。
「マチルドの体が好きなのだ」
「では心は?」
「愛した女には忠実でありたい」
「忠実だと?」
「夕方や早朝や1人でいるとき、目を閉じて彼女のことを思う」
「それは愛でなく郷愁に過ぎない。
マチルドを捨てられないのは君の弱さだ。
君の弱さこそが暴力の原因だ。僕が君に忠実とは限らない」
「誰よりも君を愛し、愛し続けるというのに」
「やめろ、この弱虫め」
好き好きですが、どっちが魅力的?
〜「太陽と月に背いて」〜