ようこそ、エンゲルハードさま
レオノーラとチェンチはリゾート地に旅行する。
風光明媚な高級ホテルに泊まる。
チェンチのお腹は大きく、見るからに妊婦である。
ぬいぐるみの人形を片時も離さない。
レオノーラは見慣れた振る舞いのせいか、
「いつものアレ?」「そうなの」
驚きもせず咎めだてもしない。
バルコニーから夕陽の海辺を見るレオノーラは
砂浜でチェンチとアルバートが抱き合っている幻想を見る。
レオノーラに忍び込む妄想。
妄想とか幻想は、恐れるにせよ期待するにせよ、その人が最も強く
感応していることがイリュージョンとなるのかもしれません。