誰がこんなことを!
アルバートは帰った。チェンチが家に一人。はしゃいでいる。
片方が脱げた白いソックスのまま、踊り回り、カーテンを引きちぎり、
荒々しく物を投げつける。
帰宅したレオノーラは真っ青。
「チェンチ、誰がこんなことを!」
「アルバートよ」
チェンチの狂乱は、暗にアルバートとのセックスを
ほのめかしているようにも見えますが、
これまたロージー監督は、らしき情景を映していません。
チェンチという、悩ましいラビリンスを虚しく堂々巡り、
そんなふうに映画は仕向けていきます。