私の足もマッサージして

 

私の足もマッサージして

 

恭一があまり気持ち良さそうなので

「私の足もマッサージして」と時子が頼みます。

タキは膝に時子の足を乗せ、足首から揉みほぐしていく。

「ああ、気持ちいい」時子は声をあげる。

浴衣の裾をめくり、ふくらはぎを揉む。

時子は無邪気にうっとりしていますが、汗ばんだタキの視線には

強いものがあります。

 

(「小さいおうち」 )

 

bn_charm