先生のような夫が欲しい

先生のような夫が欲しい

 

主治医ヴァルネクロス教授が執刀します。

リリーは教授に全幅の信頼をおいている。命を預けている。

で、こういうのです。

「先生のような夫がほしい。本当の女のようにいつか子供も産みたい」

リリーの夢はもはや待ったなし、すぐそこに実現可能になった。

それはいいのだけど…思ってしまうのよね。

ゲルダはどこにいってしまったのだって。

ゲルダはえらいわ。

自分が望むのはアイナーの幸福であり、アイナーがリリーになってもそれは変わらない。

海のように広い寛容な愛。それがいちばんよくわかったのはリリーでした。

 

(「リリーのすべて」 )

 

 

bn_charm