私たちは夫婦よ
ゲルダは夫にいいます。「私たちは夫婦よ」
夫の返事は「あなたとアイナーはね」
「!!!」ゲルダは声も出ない。
リリーにとってアイナーはもう存在しないのだ。
ゲルダはたまらなくなる。
夫が考えるのは「自分のことばかりね。アイナーに会いたい。呼び戻して。
夫と話をして抱きしめたい。あなた、せめて努力して」
妻の訴えに、夫はうつむき、細い声で「ごめんなさい」
映画はアイナーが「女性」にぐんぐん傾いていくあたりから
妻への配慮を忘れ、自分のことだけに夢中になっている彼の一面を
トム・フーパー監督は辛辣に描き出していきます。