もうやめて、アイナー

もうやめて、アイナー

 

「アイナー、リリーは現れないほうがいいわ」

ゲルダは夫が女装にのめり込んでいくのに懸念を強くします。

「リリーは存在しないのよ」

「そうとも。でも何かが変わったのだ」

「もうやめて、アイナー」

ゲルダは気づいている。夫の女装は趣味ではない。

夫の中の「女性」が目覚めようとしている。

それは男性としての夫が自分から離れていくことでした。

 

(「リリーのすべて」)

 

 

bn_charm