ゲイ映画のキメ台詞

ゴミ船に乗っている気分よ

〜「タリーと私の秘密の時間」③〜

  ゴミ船に乗っている気分よ   「マーロ、幸せそうね」と兄嫁がいう。 「ホント、ゴミ船に乗っている気分よ」と返す。 40代で3人目の子供を産むマーロ。 旦那は経済力がありそうではない。家もフツーだ。 一歩入れば散らかりまくった「ゴミ船」。 掃除する気力もない。マーロは憂鬱そ...

「マーロ?」「ヴァイ?」

〜「タリーと私の秘密の時間」➁〜

  「マーロ?」「ヴァイ?」   息子を送った後、喫茶店に入ると声をかけられた。 「マーロ?」「ヴァイ? びっくりね」 「ここに住んでいるの?」「子供が二人」 臨月のお腹を見ればもうすぐ3人だ。 久しぶりに会った友だち同士みたいだが、 ヴァイは「コーヒーが冷めないうちに行くわ...

ちがう場所を探している

〜「タリーと私の秘密の時間」①〜

  ちがう場所を探している   大きなお腹をしたママ、マーロが息子の腕や脚を 柔らかなブラシでブラッシングしてあげています。 スクリーンに音楽が流れ、歌詞がこれ。 「ちがう場所を探している/自分の場所を/新たな自分を探している」 映画の内容も、新しい場所に至るまでの、 ヒロイ...

(アンニャが来た)

〜「テルマ」㉛〜

  (アンニャが来た)   大学のキャンパス。テルマはベンチに腰掛けている。 木立がざわめく。何が起こるか感じる。 アンニャが来るのだ。 後ろから近づいたアンニャが首筋にキスした。 並んで歩きながら「とてもきれい」とテルマ。 アンニャは白いワンピース。 「あなたも私の上着が...

私を自由にさせて、パパ

〜「テルマ」㉚〜

  私を自由にさせて、パパ   「おばあちゃんに会った。私も同じようにするの? そうなのね、パパ?」 パパは返事しないまま、ボートで湖に出た。テルマが岸から見ている。 テルマの悲しみが強い念動力を呼び起こす。 湖上のパパは体から炎を発し、水に飛び込んだが、 炎が邪魔して水面に...

もうムリよ。自分たちを欺けない

〜「テルマ」㉙〜

  もうムリよ。自分たちを欺けない   父親と母親が額を寄せて話し合っている。 「もうムリよ。自分たちを欺けない。また、繰り返したら?」とママ。 「あなたは善良でやさしい人。 でも善良さだけではあの子に太刀打ちできない」 パパは注射の準備をする。 殺すつもり? ママもおかし...

私, 彼女を愛していた

〜「テルマ」㉘〜

  私, 彼女を愛していた   「姿を消した子がいる」と聞いたパパは 「彼女に怒りを感じたか?」とテルマに問う。 「いいえ」ときっぱり。 「私、彼女を愛していた。彼女も私を愛していた」 「よく考えろ。お前が愛させ、そして消えるよう望んだのだ。 彼女に選択肢はなかった」 テル...

私は欲望を求めました

〜「テルマ」㉗〜

  私は欲望を求めました   テルマは素直な娘だから、「神よ、憐れみたまえ」と祈る。 「私は欲望を求めました。心を清め、聖霊によってお救いください。 父の期待が重荷なのです。なぜ私自身でいてはいけないのですか」 そりゃ思春期の子だもの、欲望するのがむしろ自然でしょう。 心を清め...

お前には力がある

〜「テルマ」㉖〜

  お前には力がある   パパの話は続きます。 「お前には力がある。全身全霊を込めて何か願うと、その力が 願いを叶えてしまうのだ」 何てすごいの! 世界は思いのままじゃない。 でもものすごいエネルギーを使うから、 「死霊館」のロレイン(実在)も 霊と交信したら体力を使い果た...

話すことがある。辛いことだ。

〜「テルマ」㉕〜

  話すことがある。辛いことだ。   意識がもうろうとしてきたテルマにパパが告げる。 「話すことがある。辛いことだ」 湯船にいたはずの弟がいなくなった。「弟はどこだ。何をした」 少女のテルマは窓の外の湖を指さした。 パパが探しに行くと、凍った透明の氷の下に弟が死んでいた。 母...