Diversity Studies

LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

クビにして

〜深読みアクトレス㉑〜

クビにして 帰りの山道を下りながら、ヴァルがいきなり話しかける。「クビにして」驚いて振り向いたマリアに「わたしの考えが単純すぎるなら、わたしの意見や解釈が面白くないならわたしの役目はないでしょ。 セリフの相手だけなら他の人を探して」マリアは「解釈と演じるのは別だといっているだけ。あなたを責めていないわ」これじ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

人は感情で盲目になるのよ

〜深読みアクトレス⑳〜

人は感情で盲目になるのよ 空論をいうヘレナが愚かに見えるというマリアに「人は感情で盲目になるのよ。これは演劇なのよ。人生をどう解釈し表現するか、シグリッドはヘレナの内なる欲望を明確な言葉で現すのよ」わかってほしいと、ヴァルは一生懸命です。マリアを愛するヴァルにはヘレナの気持ちがわかるのです。マリアの反応は冷た...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

あなたを独占する

〜深読みアクトレス⑲〜

あなたを独占する ヘレナとシグリッドのセリフの読み合わせです。「二人の関係は終わりよ」とヘレナ役のマリア。「何もかも?」とシグレッドのヴァル。ヘレナ「そうよ」シグリッド「ヘレナ、別れるのはあなたには無理よ。残るなら恋人のまま」ヘレナ「ダメよ」シグリッド「他の人は近寄らせない。あなたを独占する」ヘレナ「そう望む...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

なのに若さの特権にしがみつく

〜深読みアクトレス⑱〜

なのに若さの特権にしがみつく マリアは追及をやめない。「あなたの賞賛を得るにはわたしは頭で考えすぎ?古すぎる? 彼女みたいに白紙じゃない?ちゃんと話して!」「わからないけど」ヴァルは口ごもりながら「あなたは人間としても完成され、女優としても円熟している。それなのに、若さの特権にしがみつく」マリア沈黙。シグレッ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

どこも

〜深読みアクトレス⑰〜

どこも その夜家に帰ってから。ヴァルの指摘は正しいとマリアの女優の本能がささやく。マリアは不安に落ち込むが不安の正体がわからない。なりふり構わず、ヴァルを問い詰めます。「マンガみたいなキャラをわたしは軽蔑するけどジョアンは違う?」「嫉妬はやめて。見苦しい」「だから彼女の方が優秀? 曖昧な役でも彼女は飛び込むけ...
藤山直美×阪本順治監督『団地』特別上映会を、奈良・大和高田・八尾にて開催!

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藤山直美×阪本順治監督、『顔』のコンビが再タッグ!オリジナル脚本の話題作を、地元で楽しめる! 実在の逃亡犯をモデルに、哀しくも力強い“人間の業”を余すところなく描ききった異色の犯罪ドラマ『顔』。数々の映画賞を総ナメにした同作から16年を経て、女優・藤山直美と阪本順治監督が再びタッグを組んで誕生したのが、『団地』です。 ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

時々あなたが本気で嫌いになる

〜深読みアクトレス⑯〜

時々あなたが本気で嫌いになる マリアはヴァルの解釈を大笑いします。ビールを派手に吹き出す。ヴァルは苦笑して、自分の意見を本気で聞こうとしないマリアに本音を漏らす。「時々あなたが本気で嫌いになるわ」さすがにジュリエット・ビノシュなのは、このシーンのマリアの呵々大笑です。人は本心を悟らせないため、大仰に笑うことが...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

でもそれが望みなの

〜深読みアクトレス⑮〜

でもそれが望みなの、だから強いの ヴァルはマリアがくだらないといった映画のヒロインをこう解釈します。「彼女は心の暗部を演じた。大胆で勇敢だと思う」確かにマンガみたいなスーパーパワーを持っている、「よくある設定だけど、それが悪いわけじゃない。彼女は感情的に無防備よ。自分の敵への報われない愛に苦しみ、狂気へと…演...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

わたしは大好きよ

〜深読みアクトレス⑭〜

わたしは大好きよ ジョアンが主演する3Dを見に行ったマリアとヴァル。ジョアンは宇宙服を着たスーパーヒーローを演じる。「あなたのために最後まで見たけど、脳細胞が一つずつ死んだわ」とマリア。「彼女、最高だと思うけど」とヴァル。「あまりにもくだらない。頭のからっぽな女が派手な宇宙服を着てバカなセリフを言う、ウンザリ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

マローヤのヘビ

〜深読みアクトレス⑬〜

マローヤのヘビ ヴァルの車を二階の窓からマリアは見送る。薄闇の迫る部屋で、マリアは机に座り太い字で書く。「マローヤのヘビ」と。それを見つめる。自分が排斥し、毛嫌いするヘレナとは違うヘレナ像をヴァルは作っている。ヴァルの指摘は正しいのではないか。迷いが壁のようにマリアの前に立ちふさがる。この行き詰まりはなんだろ...