でもそれが望みなの、だから強いの

でもそれが望みなの、だから強いの

 

ヴァルはマリアがくだらないといった映画のヒロインを

こう解釈します。

「彼女は心の暗部を演じた。大胆で勇敢だと思う」

確かにマンガみたいなスーパーパワーを持っている、

「よくある設定だけど、それが悪いわけじゃない。

彼女は感情的に無防備よ。

自分の敵への報われない愛に苦しみ、狂気へと…

演じる価値もない映画だと思うの?彼女を待つのは破滅。

でもそれが望みなの。だから強いの」

言い換えればこうです。

「ヘレナは自分を待つのが破滅だとわかっていてシグレッドへの

愛を選んだ、それが望みだった。だれに与えられ、

押し付けられたものでもない、

勇敢で大胆よ、ヘレナはあなたが言うような敗北者じゃない」

ヴァルもまたマリアを愛している、報われないかもしれないが、

それが自分の望みであり、選択であると。

 

 

(「アクトレス~女たちの舞台~」)

 

 

bn_charm